2017年6月18日日曜日

IPO投資|抽選にハズレてもIPOで稼げるセカンダリ戦略とは?

IPO投資のセカンダリ戦略について、初めて書きます。

IPO投資を始めて2年ほど経ち、毎度のように申し込みをしてますが、当選したのはたった1度だけ。

しかもその1度も元本割れしたベルシステム24のみという散々な内容です。

参考記事:IPO投資|2017年も当たらない? IPO予定表・実績表(2月25日更新)

あとはSBI証券のチャレンジポイントをコツコツ貯めていくしかないかな~・・・なんて思っていた矢先、IPO抽選にハズレてもIPOで稼ぐ方法があるという耳より情報を得ました。

その名もIPOセカンダリ戦略です。


IPOに強いマネックス証券

IPOのセカンダリ戦略とは

IPOの王道と言えば、新規上場前に抽選で購入権利を得ておき、いざ上場日を迎えたら初値とともに即座に売る、すなわち公募価格と初値の利ザヤで稼ぐ戦略です。

一方でセカンダリー戦略とはIPOが上場し、初値が付いた後に売買する戦略です。

しかしなんでもかんでもセカンダリー戦略を使うと、かえって損失を被る可能性があります。

なぜなら、初値よりもしばらく経過した後の株価が安くなってしまうIPO銘柄は多数あるからです。

それでは、どうすればIPOのセカンダリーで安定的に勝つことができるのか?

セカンダリー戦略で勝っている投資家ブログを調べたところ、概ね2つの勝ちパターンがあることが分かりました。

セカンダリー戦略① 騰落率100%超え銘柄

1つ目の戦略は、騰落率100%超えのIPO株式を狙え!というものです。

騰落率100%超えというのは、初値が公募価格の100%超え、つまり倍以上になったIPO銘柄を指します。

騰落率100%超えということは、よほど人気のあるIPO銘柄ということが分かります。

人気のある企業の株価は新規上場後もどんどん値上がりする傾向があるため。その流れに乗るという戦略です。

セカンダリー戦略② -10%超えの公募割れ銘柄

2つ目の戦略は、戦略①と真逆で-10%以上も初値が公募価格を下回る不人気IPO銘柄を狙え!といものです。

不運にも公募割れIPO株をつかんでしまった投資家は、公募割れが判明した時点で我先に売却して損切りをするために一斉に売り注文が入り、初値が大きなマイナスを抱えてスタートする傾向にあります。

一時的に本来の株価以上に売り圧力がかり、株価が下がり過ぎることにつながるのです。

つまり、公募割れIPO株は初値の時点を底値として一時的にリバウンドする傾向があるようです。

IPOセカンダリー戦略を過去データで検証!

上記でご説明した通り、IPOセカンダリー戦略の投資ルール自体は至ってシンプルです。

初値が公募価格の+100%以上かー10%以下か、たったこの2つだけです。

本当にこんな単純な方法で利益をあげることができるのでしょうか?

過去データを使ってIPOセカンダリー戦略を検証してみることにしました。

検証① 騰落率100%超えIPO株にセカンダリー戦略を適用

2017年のIPO株で、騰落率が100%を超えたのは以下の15銘柄です。

  • アセンテック
  • 旅工房
  • テモナ
  • ユーザーローカル
  • No.1
  • オロ
  • フルテック
  • 力の源ホールディングス
  • インターネットインフィニティー
  • ほぼ日
  • ファイズ
  • ピーバンドットコム
  • ユナイテッド&
  • コレクティブ
  • フュージョン
  • シャノン

ここから5銘柄ほど、無作為にピックアップして検証してみましょう。

初値がついた日の始値で買って、終値で売るシナリオで計算すると、損益結果は下表のようになります。

【始値で買って終値で売るシナリオ】

IPO銘柄 上場日 始値 高値 安値 終値 終値-始値
アセンテック 4月26日 5,950 6,950 5,630 6,950 1,000
ユーザーローカル 3月31日 12,500 13,350 12,130 12,470 -30
インターネットインフィニティー 3月22日 5,040 5,730 4,420 4,450 -590
ピーバンドットコム 3月9日 3,530 3,640 2,850 2,850 -680
コレクティブ 2月24日 6,600 7,200 6,300 6,520 -80

残念なことに、5銘柄中4銘柄はマイナスとなってしまい、このセカンダリー戦略はうまくいかないようです。

始値で買って終値で売るという考えが単純すぎるような気がするので、シナリオを少し変えてみましょう。

そこで、始値で買って5%株価が上昇したら売るというシナリオで検証してみましょう。

【始値で買って5%上昇したら売る、上昇しなかったら終値で売るシナリオ】

IPO銘柄 始値 高値 高値 安値 終値 +5%で
売却
アセンテック 5,950 6,950 6,950 5,630 6,950 297.5
ユーザーローカル 12,500 13,350 13,350 12,130 12,470 625
インターネットインフィニティー 5,040 5,730 5,730 4,420 4,450 252
ピーバンドットコム 3,530 3,640 3,640 2,850 2,850 -680
コレクティブ 6,600 7,200 7,200 6,300 6,520 330

おお!!

こちらのシナリオであれば、5銘柄中4銘柄がプラスになります。

また5銘柄合計でも824円分の収益が上がることになり、例えばそれぞれ100株買ったとすれば82,400円もの利益が上がります!

検証② 公募割れー10%以下のIPO株にセカンダリー戦略を適用

次に公募割れのIPO株について検証してみましょう。

初値が公募価格を下回った公募割れIPO株は以下の通りです。

今年はIPO株のパフォーマンスが良いこともあって、-10%を超えるIPO株はありませんでした。

  • LIXILビバ
  • ウェーブロックホールディングス
  • スシローグローバルホールディングス
  • マクロミル

-10%を下回っていませんが、一応、検証してみました。

【始値で買って終値で売るシナリオ】

IPO銘柄 上場日 始値 高値 安値 終値 終値-始値
LIXILビバ 4月12日 1,947 2,075 1,938 2,055 108
ウェーブロックホールディングス 4月10日 721 743 692 693 -28
スシローグローバルホールディングス 3月30日 3,430 3,575 3,380 3,410 -20
マクロミル 3月22日 1,867 1,874 1,651 1,680 -187

こちらも騰落率100%以上のIPO銘柄と同じで、単純に始値で買って終値で売っても儲けがでないことが分かります。

5%上昇したら売るシナリオで考えてみましょう。

【始値で買って5%上昇したら売る、上昇しなかったら終値で売るシナリオ】

IPO銘柄 始値 高値 安値 終値 +5%で売却
LIXILビバ 1,947 2,075 1,938 2,055 106
ウェーブロックホールディングス 721 743 692 693 -28
スシローグローバルホールディングス 3,430 3,575 3,380 3,410 -20
マクロミル 1,867 1,874 1,651 1,680 -187

騰落率100%以上のIPO銘柄でシミュレーションした時はプラスが出たのに、公募割れIPO銘柄でやってもうまくいきませんね。

今回は-10%以下の公募割れIPO銘柄ではなかったので、仕方ないのかな・・・。

IPOのセカンダリー戦略のまとめ

IPO株のセカンダリー戦略について、解説と検証を行いました。

まとめると以下の通りです。

  • セカンダリー戦略とは、IPO株の初値が付いた後に売買する戦略である
  • IPOのセカンダリ戦略の勝率を上げるために2つの方法がある
  • 1つ目の方法は、初値が公募価格の100%を超えるIPO銘柄で売買する
  • 2つ目の方法は、初値が公募価格の-10%以下の公募割れIPO銘柄で売買する
  • 2つの方法を検証した結果、単純に初値で買って終値で売る方法を取ると、損失が出やすい
  • 初値から5%上昇したら利益確定するなどルールを定めれば、初値が公募価格の100%を超えるIPO株の方で、利益が出やすくなる

IPOのセカンダリー戦略について、いかがでしたでしょうか?

単純に利益が出る方法かと期待してたのですが、利益確定のタイミングを見定めないと儲からないことが分かりました。

世の中そううまい話はないですね~。

でも工夫すれば、IPOセカンダリ戦略は可能性を感じる投資法であるとも思いました。


以上、本日はここまで。

それでは!

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