4月に当ブログでもご紹介したゴルフスタジアムとゴルフレッスンプロとのトラブル、通称「ごるスタ事件」で重大な進展がありました。
「ごるスタ」運営会社のゴルフスタジアム(代表:堀 新氏)が、7月21日に破産手続きを開始しました。
負債総額は約56億6,202万円で、負債のうち約36億8,000万円はゴルフレッスンプロなど1,153名に対する未払い広告料となっている模様です。
【過去の記事】 |
ごるスタ事件の概要
タダでウェブサイト作ります!
開設後の管理や運営もすべてお任せください!!
ごるスタの営業マンがゴルフレッスンプロに近寄るのは、決まって「タダでホームページを作ります」という甘い言葉でした。
数百万円の分割払い契約
しかし、タダでWebサイトを作るなんて話は嘘!
ごるスタの営業マンはウソをついていたのです。
Webサイトができあがり、いざ納品の段階になると「タダでホームページ」を取り下げて、数百万円の契約を迫ってきたそうで、多くの人に信販会社を経由した分割払いのスキームが提案されました。
しかも「ごるスタ」側はホームページ内に広告を掲載してもらえれば、クレジットの分割支払いと同額の広告費を支払う、つまり実質無料の提案をしたわけです。
被害者Y氏のケースでは分割84回払い、分割手数料コミで726万円の契約でした。
携帯電話の分割払い割引のような契約ですが、7年・数百万円という超長期・超高額契約だったのです。
ゴルフスタジアムの広告支払いがストップ!
事件は2017年2月に起きました。
ゴルフスタジアム社が経営難に陥り、分割払いの対価となっていた広告支払いがストップしたのです。
全国各地のゴルフレッスンプロ1,000人以上が被害者で、1人当たりの分割払い残高が数万円、多い人だと900万円台の人さえいます。
ゴルフレッスンプロは広告収入もない中で、分割払いを強いられる格好となりました。
ゴルフスタジアムの倒産!!
そして先週、被害者にとって最悪の時が訪れました。
ゴルフスタジアム社(代表:堀新氏)は、6月27日に債権者から東京地裁へ破産を申し立てられ、7月21日に破産手続きの開始が決定したのです。
ゴルフスタジアム社が倒産したからといって、ゴルフレッスンプロの借金はなくなりません。
なぜなら被害者が契約しているのはゴルフスタジアム社ではなく、分割払い先にあたる信販会社であるためです。
信販会社にとってゴルフスタジアム社の倒産は関係なく、債務者=ゴルフレッスンプロから分割代金を回収するのみです。(信販会社に悪意がなかったという前提ですが)
ごるスタは詐欺事件?
ごるスタ事件は詐欺か?というと、微妙な線ですが、詐欺とは言えないというのが私の所感です。
今回の事件の数百万円の契約は、ウェブサイト作成の対価ではなく、「モーションアナライザー3」というソフトウェア購入の契約となっています。
信販会社は「モーションアナライザー3」の代金を一括でゴルフスタジアムに支払い、顧客から長期の分割払いで回収する形になっています。
顧客自身が「モーションアナライザー」に数百万円の価値があることを認めて契約しているわけですから、詐欺だ!とは言えないのでは?というのが私の見解です。
【ゴルフスタジアム事件のスキーム】
「ゴルフスタジアム被害者を守る会」と集団訴訟
被害を受けたゴルフレッスンプロを中心に、被害者団体:「ゴルフスタジアム被害者を守る会」が3月に立ち上がりました。
そして被害者の会は7月6日付で東京地裁に原告232名、総額8億円の集団提訴に踏み切りました。
今さら破産した会社を訴えても何もならんやろ・・・と思ってたら、争点は分割支払いの方にあるようです。
信販会社がゴルフスタジアム社と一体になって被害拡大を助長した点、つまり信販会社に責任を問うようです。
担当の西村弁護士は、特に2点を問題視しています。
- 信販契約はゴルフ社の一時的な運転資金の獲得を目的としており、無価値な商品の信販契約がなされ、分割金支払いをゴルフ社が負担するキャッシュバックスキームとなっている。
- 「営業用」商品の購入は割賦販売法の適用除外となるが、レッスンプロらは利用意思がなく、「営業用」にあたらない。
1点目のキャッシュバックスキームは公序良俗に反すること、2点目は割賦販売法による保護規定(クーリング・オフや不実告知による契約取消し)が適用されるべきと主張しています。
要するに、信販会社はごるスタとグルであって、ごるスタが倒産しそうなのを知っていながら契約を手助けしてのでは?という疑いのようです。
ゴルフレッスンプロの借金が全てなくなるのは難しいでしょうが、せめてホームページの市場価格程度まで減額されればいいですね。
ごるスタ事件から得られる投資の教訓
ごるスタ事件は、投資家にとっても多くの教訓が得られると思います。
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高利回りでリスクのある投資をするなら、せめて運営会社の安全性は確保したいですね。
ソーシャルレンディングで言えば、伊藤忠商事のような大企業にバックアップを受けるクラウドクレジットのように、財務面とガバナンスは重要視したいものです。
以上、本日はここまで。
それでは!
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