2016年の相場トレンドとして、日本国内では「円高」が最注目のキーワードとなっていると思いますが、世界的に見れば「原油価格下落」が注目されているのではないかと思います。
今年の2月に投稿した「2016年度原油価格の見通し」では、原油価格が上昇するであろう強気の予測と、さらに下落するであろう弱気の予測について触れました。
前者は1バレル50ドル、後者は1バレル10ドルという両極端な予想となっていました。
この投稿をしてから半年が経過仕様としている今、原油相場はどうなったのか?今後の原油相場の行方はどうなっていくのか?について見ていきたいと思います。
原油相場の現在地
●ガソリン価格が一時90円台をつける
●日本の総合商社5社の減損が1兆円を超え大幅赤字に転落
●米国シェールガス関連企業の撤退、倒産が相次ぐ
上記は今年賑わっているニュースたちです。すべて原油価格の下落が招いた経済的ダメージです。
2016年2月までの原油相場
改めて2016年2月までの原油相場を改めておさらいしてみましょう。
2014年、リーマンショック以降の最高値1バレル100ドル台で推移していましたが大暴落が始まり、2015年1月には40ドル台まで下落しました。
原油価格の下落が起きた主要因として、
①米国によるシェールオイル増産で供給が増え過ぎた
②イラン核協議合意で経済制裁が解除される
③中国経済減速でコモディティ全般が売られている
といった点が上げられました。
そして2016年に入り、中国発の世界同時株安とともに原油から投機マネーが逃げるように出ていったことで、原油価格は1バレル20ドル台をつけ、マーケットは騒然となりました。
2016年8月までの原油相場
2月に1バレル20ドル台を底値として、原油価格は反転を始めます。
ここ数カ月は1バレル40ドル~50ドルの水準で推移している状況です。
原油価格がある程度上昇したのには様々な要因が考えられます。
①投資の賢人ウォーレンバフェットの原油関連企業の株式買い増し
②米国内の原油在庫の減少
③世界的な景気不透明感の後退
上記要因に加え「OPEC(石油輸出機構)各国の生産協調」が起きれば原油価格はかなりの上昇があるのでしょうが、利権が複雑に絡み合ってOPECはなかなか協力体制が取れません。
現状はシェールガス関連企業とOPEC各国がバラバラに戦っている状態と言えます。
(出典:楽天証券 2015年9月~2016年8月のWTI原油先物価格の推移)
中東各国と原油価格の関係
原油価格が一時20ドルを付け、現在でも40ドル~50ドル付近で推移しています。
この価格帯は主要な産油国にとってどのような意味を持つのでしょうか?
下図を参照してください。
(出典:IMF Ragional Economic Outlook)
中東産油国の財政運営に必要な原油価格をまとめたグラフとなります。
これを見る限り、現在の原油相場で生き残れるのはクウェートのみであり、その他の中東産油国は財政が苦しくなるというデータになります。
現在、中東のOPEC各国は対シェールガスを強めるために原油の増産姿勢を崩していない状況ですが、そのうち自分たちの体力が持たない時期が到来するため、どこかで協調減産せざるを得ないだろうというのが大方の見方となっています。
ここまで原油相場の現在地をまとめてみました。
これを踏まえ、次回は原油相場の今後の行方について見ていきたいと思います。
以上、本日はここまで。
消費者としては原油価格は安ければ安いほど良いと思ってしがちです。しかし、原油価格は景気後退や株価の下落を招く恐れがあり、もしそうなると翻って私たち個人のお財布にもダメージをもたらすため、軽々しく原油が安い方が良いとは言ってはいけないのでしょうね。
それにしても、ウォーレンバフェットは底値で原油関連企業の株を買い増せたということで、またしても見事な大成功です。
それでは!
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