日本経済新聞を読んでいたら、気になる記事が目に入ってきました。
東京商工リサーチは2日、2016年1~6月の太陽光発電関連企業の倒産件数が前年同期比で24.0%増の31件だったと発表した。
2000年以降でみると上半期ベースで過去最多になった。
政府による再生可能エネルギーの買い取り価格の引き下げを受け、経営が悪化する企業が増えている。
太陽光発電の関連事業を行う企業の倒産件数が増えているというニュース記事です。
いつもは投資の話題ばっかり書いている私が、なぜ太陽光発電の記事を気にしたかと言うと、太陽光事業のことはどうでも良くて、私は太陽光発電投資ファンドのことを気にしています。
ということで、今回は太陽光発電関連企業の倒産が太陽光発電ファンドへ悪影響を及ぼすのか否か、悪影響があるならどんなことが起きうるのか、調査したいと思います。
倒産続出!太陽光発電関連の事業者
日本経済新聞の記事によると、2016年前半だけで倒産件数が31件だったとのことですが、これがいったいどれほど多いのか?
2000年以降の同調査において上半期ベースで過去最多であり、過去最多だった15年の54件も単純計算では上回る勢いとなっています。
また、2016年上半期の太陽光発電関連の倒産企業の負債総額は前年同期比18.6%増の176億3200万円で、金額ベースで見ても過去最高を遥かに上回るペースで推移しています。
(引用:itmedia)
倒産件数増加の要因
太陽光発電事業者の倒産件数増加の最大の要因は、電気の買い取り価格が年々下がっていることがあげられます。
(引用:solar-japan)
電気買い取り価格の下落は発電事業者の投資回収を難しくしており、且つ現実性を欠いた事業計画で一部企業が参入した結果、業績の見込み違いから倒産するケースが多いようです。
倒産しているのは主に中小企業ですが、大手企業でも太陽光発電事業が不振に陥っているケースが目立つようです。
太陽光発電パネルの材料を製造するトクヤマは経営が立ち行かなくなり、2016年5月に企業再生ファンドのジャパン・インダストリアル・ソリューションズの支援を受けることになりました。
シャープや京セラといった超大手の太陽光発電パネルメーカーも事業収益が低下しているほどなので、太陽光発電事業の原則により太陽光設備の企業にも悪影響が出始めています。
太陽光発電事業者の倒産とファンドへの影響
上記のような倒産増加を受け、太陽光発電ファンドへの影響がいくつか考えられます。
太陽光発電ファンドの新規参入の停滞、利回り低下
今回の倒産増加は、固定買い取り価格の段階的な低下を受けたことが大きな要因です。
固定価格が下がるということは、最初から太陽光発電事業の収益が悪いことがある程度想定できるようになるため、新たな事業参入は減ってきます。
同様に太陽光発電ファンドを新規で組成する事業者も減るでしょうし、仮にファンドを組成したとしても、買い取り価格の低下による利回り低下は避けられないでしょう。
既存の太陽光ファンドのリスクは増加する?
既存の太陽光ファンドはというと、単体で見ればリスクの増加は小さいと言えます。なぜなら太陽光発電の買い取り価格はファンド組成時に決定しており、その価格が将来にわたって保証されているためです。
しかし太陽光ファンド運営事業者の全体で見ればリスクは増加するものと考えられます。なぜなら、上記に書いた通り新規ファンドを組成しにくい環境下になっているため、将来の収益が見込めなくなってくるためです。
以前のように新規ファンドを一定の間隔で組成できなければ、太陽光ファンド運営事業者の経営が苦しくなり、倒産するリスクが高まると言えるでしょう。
太陽光ファンド運営者倒産の投資家に与える影響
仮に太陽光ファンド運営事業者が倒産した場合、既存の太陽光ファンドへの影響はどうでしょうか?特に投資家の資金はどうなってしまうのか気になりますよね。
倒産隔離スキーム
一般的には、投資家から集めた資金は「倒産隔離」という資産保全スキームを使っているため、安全と考えられます。
「倒産隔離」スキームとは、太陽光ファンドの募集取扱者、運営者等の財務悪化がファンド母体に影響を及ぼすことがないように、企業の運営とファンドの運営を別管理するスキームです。
まとめると、現在起きている太陽光関連事業者の倒産件数増加が既存の太陽光発電ファンドに与える影響は小さいと考えても良いでしょう。(新規ファンドは利回り低下が懸念される)
太陽光発電ファンドの本当のリスク
最後に太陽光発電ファンドに内在する本当のリスクをいくつかまとめてみます。
ファンド運営事業者の詐欺行為
ファンドを運営するのはあくまでも民間企業や民間団体であり、大半が新規参入の中小規模の組織です。
基本的にはファンドで出資されたお金は、太陽光発電所の運営以外に使われることはないはずですが、運営事業者が新規参入や中小企業という特性があることから、お金を管理する仕組みに私は懸念を持ってしまいます。
投資家資金を別用途に流用するファンド運営事業者はいないのでしょうか?
自然災害
日本は地震、台風、洪水などのリスクをモロに受けやすい、いわば自然災害大国です。
ある程度の自然災害には保険がおりるにしても、再建中期間の収益は0になるため、利回りの悪化、最悪はマイナス利回りになる可能性もあります。
また保険請求できる範囲外の自然災害もあるかもしれません。
上記のようなリスクを許容したうえで、なお太陽光発電ファンドに投資価値があるのか、熟考する必要があるでしょう。
以上、本日はここまで。
太陽光発電事業者の倒産が与える太陽光発電ファンドへの影響は、意外にも小さいというのが私の見解です。
それよりも、元々このファンドに内在するリスクの方がよっぽど気にする必要があるようです。最近投資詐欺の話も増えてますし、事業者を慎重に見極める必要がありますね。
それでは!
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